指数関数という関数

 新型コロナウィルスの感染者数の話ではありません。単純な数学のお話です。1.1を底とする  y=1.1n という指数関数を計算してみます。ただし1.1人とか1.21人といった端数の人数は有り得ませんから、rounddown関数(C言語でいうところのfloor関数)を用いて計算値yを整数に変換しています。

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 まぁ、この値を日々の感染者数と見立てるわけです。毎日の値を足し算して累積値を計算してみます。

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 要所要所の数字を表に示します。

発生からの日数 その日の発生数(人) 累積標本数(人)
0日目 1 1
1日目 1 2
2日目 1 3
3日目 1 4
4日目 1 5
5日目 1 6
6日目 1 7
7日目 1 8
8日目 2 10
9日目 2 12
10日目 2 14

 手元に関数電卓が有れば1.1の7乗を計算してみると約1.95であることが検証できることでしょう。一方、8乗は2.14です。それらを順次足し合わせてゆくと発生から8日目で累積感染者数が10人となることがわかります。

 発生から 48日目に累積感染者数が1,000人を超えます。そして、その1週間後の55日目に2,000人を超えます。

発生からの日数 その日の発生数(人) 累積標本数(人)
15日目 4 29
17日目 5 38
20日 6 55
30日目 17 167
48日目 97 1,036
55日目 189 2,046

 

 発生から72日目に累積感染者数が10,000人を超えます。この日1日で新たな感染者数は約1,000人という値です。

発生からの日数 その日の発生数(人) 累積標本数(人)
55日目 189 2,046
71日目 868 9,512
72日目 955 10,467
75日目 1,271 13,945
80日目 2,048 22,484
90日目 5,313 58,390
100日目 13,780 151,527
120日目 92,709 1,019,729
140日目 623,700 6,860,620
160日目 4,195,943 46,155,285
170日目 10,883,196 119,715,064

 

 繰り返しますが、これは日本における新型コロナウィルスの感染者数の話ではありません。単純に毎日感染者数が1.1倍ずつ増えてゆけば、累計感染者数は何人になるかという数字を示しているだけです。また、感染力を表現する1.1という定数も変化させていません。つまりウィルスの感染力が突如増大した結果という訳でもないのです。

 指数関数という中学生でも知っている関数が理解できていれば、現在そして3か月後に現出するであろう状況は2020年2月初旬の段階で予想できていたはずなのです。