一起向未来

北京冬季オリンピックは2022年2月4日北京市中心部の国家スタジアム(通称鳥の巣)にて開会式が実施されました。

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複数の競技場で実施されるのですが、主としてジャンプ競技北京市から北西に位置する张家口市の国家スキージャンプセンター(通称:雪如意)で実施されました。斜面の法肩に空飛ぶ円盤が着陸したかのような特徴あるフォルムの競技場です。このように、今期のオリンピックは競技内容もさることながら、建築物としても見応えのある大会だったと思います。

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同じく张家口市の密苑云顶乐园に設置されたフリースタイルスキーおよびスノーボードスロープスタイルのコースです。万里の長城をイメージしているのでしょうね。このスキー場は普段からテーマパークのようなゲレンデを提供しているらしいのですが、世界から着目を集める冬季オリンピックとあって特に気合の入った催しとなっています。

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もうひとつ目を見張ったのはフリースタイルスキーおよびスノーボードビッグエアの会場でした。「ジャンプ台の背景に原子力発電所?」の見出しで記事が多数投稿された首钢大跳台です。日本ではなじみがありませんが、欧米の原子炉は中程がくびれた円筒形のものが多いため、このような反応になったものと思われます。ディストピアと言いますか、何か終末の世界を思い起こさせる景色となっており、フリースタイルスキースノーボードアウトローな装いと親和性が高いように思います。

ちなみに首钢とは「首都の製鋼所」の略で、件の建物は製鋼所跡地に残された冷却塔なのだそうです。北京エリアといっても五环路の外側ですから、かなり郊外の立地と言えそうです。

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北京冬季オリンピック2022は17日間の日程を経て、2月20日に閉会式が実施されました。オリンピックの開会式・閉会式と言えば一糸乱れぬ動きの勇ましいマスゲームを想起しますが、北京冬季オリンピック2022では提灯を捧げた子供たちの舞いが披露されました。全体として見れば一定程度の統一感が保たれているものの、個別には手をつないだり座り込んだり走ったり歩いたりと好き勝手に動き回る子供たちの乱雑な動きを取り入れた見事な演出だったと思います。小鳥や小動物、妖精の動きを想い起こします。

もうひとつ、閉会式では大会中の選手たちの「涙」に着目した映像が流されました。勝者たちの力強い姿は勿論魅力的です。しかしスピードスケート女子団体パシュートの髙木菜那選手の涙に何度も貰い泣きした私としては、涙を主題とした動画に非常に強い共感を覚えました。

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北京冬季オリンピック2022は平和の祭典の名に相応しい、感動的な大会だったと思います。*1

 

*1:この記事の画像は全て https://www3.nhk.or.jp/sports/olympics/video/ から引用しました。